深い思考を促す公民の問い

 東日本大震災の年に出題した問題です。作例7,8は震災そのものがもたらした影響について問う問題でしたが,これは震災をきっかけに人々の意識や行動が変わったのかどうかについて問うもので,まさにExtention,Eレベルの問題と言っていいでしょう。なお,問題文中にある「CMの放送がしつこい」とは,企業CMの代わりに公共広告機構(AC)のCMが延々と流されていたことを指しています。

 

下は想定解答例です。

 

※震災から4年半が経過し,復興は進んでいるのか,体験が風化していないか,問われ続けています。上の問題は,震災の年に出題したものですが,震災のときに幼児以上だった人であれば,「あの頃,ポポポポーンというCMが延々と続いていたな」と思い出して,現在でも出題する意味がある問題だと考えます。街の景色が変わり,マス=メディアで取り上げられることが少なくなったとしても,「その時,人々はどう感じていたのか」「被災者はあの時,なぜこのように語ったのか」を考えることが,「風化」と呼ばれるものを食い止める一つの方法ではないでしょうか。