1.経済体制

(1)資本主義と社会主義

 経済体制として対立してきたのが資本主義と社会主義。すなわち,「社会主義」に対する言葉は「資本主義」となる。社会主義の特徴は2つ。「生産手段の社会的所有」と「計画経済」である。
生産手段とは,土地や機械,鉄道や通信設備のことであり,計画経済とは,生産量や価格,賃金などを国家が統制するやりかたである。
 「社会主義」に対する言葉が「民主主義」だと思いこんでいる人はいないか? 確かに,現代の日本で「民主主義」と言われる政治体制はイギリス・アメリカなどの資本主義経済体制の国で発達してきた。だが,「社会主義」経済体制の国には英米とは異なる「民主主義」が存在した。それらの国は「アメリカのやり方だけが民主主義」という考えに強く反発していることもある。「アメリカ対ロシア」「アメリカ対中国」さらには「アメリカ対フランス」という対立は,かなりその要素があると言えよう。なお,「社会主義」「共産主義」「マルクス主義」という用語は,同じ意味だと思っておけばよい。
 もう一つ,社会主義をとる国はなくなってはいない。中華人民共和国,朝鮮民主主義人民共和国,ベトナム,キューバなどは社会主義体制をとっている。ただし市場経済や経済特区など,資本主義的なやり方を取り入れて経済を活性化しようとしている場合が多い。

(ここが問われる)
社会主義と資本主義はどう違うか(資本主義の特徴としても出題)
ソ連,中国,東欧の社会主義の違い(ソ連の支配欲,東欧各国のいきかた,中国の反発)
社会主義が崩壊した原因(国際関係としても出題)
現在社会主義をとる国の特徴(市場経済のしくみを取り入れようとしている)

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